INTERVIEW
プロデューサー 金子 敦史
アニメーション業界とA-1 Picturesに入ったキッカケを教えてください
90年代初頭のOVA・劇場アニメが子どもの時から好きで背伸びして観ていました。今は多岐に渡って様々な工程でデジタル化が進んでいますがシンプルに「紙と鉛筆」だけで無限の世界観を表現出来ることに当時から魅力を感じ、実写も視野に入れつつ映像業界に入りたいと思ったのがスタートです。
他社アニメーションスタジオで3年程、制作進行として下積みをさせていただき、当時はそこまで大きな規模ではなかったA-1 Picturesというブランドに将来性を感じたのが門を叩いたきっかけです。
作品作りの際に、心掛けていることはありますか?
自分がおもしろいと思う物事を常に疑う様に心掛けています。所謂「オタクカルチャー」と呼ばれる文化は一昔前では考えられない程の市民権を得ました。それを踏まえ、現在進行形で「今アニメを観ている視聴者」が観たいと思う映像は自分が観たい映像と果たしてリンクするのか、創り手のエゴにならない様に心掛けています。簡単に正解と不正解を導き出せるテーマでもないですし日々葛藤を感じているのですが…。だからこそ納品ができて皆さまに観てもらえた時に大きな喜びを感じることができるのだと思います。作品創りを通して「作品と真剣に遊ぶ」ことができたら最高です。
仕事のやりがいとプロデューサーに必要なことは何でしょうか?
プロデューサーに必要なこととしては、「アニメ」だけでなく様々なジャンルや多方面の分野に興味を持つことと「人間力」でしょうか…。作品創りを完遂する上でアニメを多く観ていることはあまりアドバンテージになりません。それよりも、人を巻き込む力が大きく必要となります。時には覚悟が試されたり度胸が問われるのですが、作品を成功させる上で必要なのであれば胸を張って推し進める胆力がプロデューサーには必要だと思います。
今後手がけたい作品はありますか?
10~20代の多感な時期に触れた原作ものを劇場アニメでやりたいと考えています。本当に自分がおもしろいと思えるものをおもしろいと思ってもらえるスタッフと動かせたら制作冥利に尽きます。中々ハードルの高い夢になるのですが、だからこそ制作人生を終えるまでにやってみたい…と日々思い描いています。
アニメーション業界(制作)を目指す人へのアドバイスはありますか?
制作を目指す方に特化して言えば「アニメが好き」ではなく「アニメを創っているスタッフが好き」な気持ちがまずは大事だと思います。他に個人的に必要だと思うのは「劣等感」と「鈍感力」。アニメーション制作を通じて予想を超える人々との出会いがあります。喜び、悲しみ、楽しみ、苦しみ…と色々な感情で様々な局面を体験することになりますが、それらの経験を通じて業界人として大きな成長を遂げられると思います。
何も判らなくても気にする事はありません。まずは業界に飛び込む勇気と、そこで出会うであろうスタッフのことを想像してみてください。それでもあなたにその気があるのであればぜひともA-1Picturesにいらしてください。