INTERVIEW
プロデューサー 渋谷 晃尚
アニメーション業界とA-1 Picturesに入ったキッカケを教えてください
就職活動がうまくいかなかったとき、昔から好きだったものを何かと考えたときに思い浮かんだのがアニメーションでした。学校の先輩がある制作会社に勤めていたので連絡をとってOB訪問をしたところ、なぜか翌月からそこで働くことになっていました。
その後、別の制作会社に新卒として入社したのですが、同じジャンルの作品をずっと作ることに疑問を感じ「ソードアート・オンライン」や「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」など様々なジャンルで意欲的な作品を世に出していたA-1 Picturesに惹かれて転職しました。
作品作りの際に、心掛けていることはありますか?
自分のしていることが「仕事」であること、関わる全ての人は「仕事」として依頼を請けていて「生活」があるということを忘れないよう心がけています。ときにクリエーターの情熱や作品に対する愛情に甘えてしまう場面も多々あるのですが、少なくともそれを作品作りの前提としないようにしています。
仕事のやりがいとプロデューサーに必要なことは何でしょうか?
やりがいは一番近いところで完成までに立ち会えることだと思います。全ての工程に立ち会うのは制作だけですので、各セクションの人と様々なやりとりをしていく過程は辛いことも多いですがやりがいがあります。
プロデューサーに必要なことは理想と現実の折り合いをつけるバランス感覚だと思っています。理想を求め過ぎて予算やスケジュールに見合わないもの問題ですし、現実だけを見て作品の魅力を損なってしまうのもまた問題だと思います。ですので、どこで折り合いをつけるのかを見極めるのがプロデューサーの役割なのかと思います。
今後手がけたい作品はありますか?
「僕だけがいない街」のような作品をまたやってみたいという気持ちはありますが、特定のジャンルというより、一人でも多くの人に見てもらえる作品に関わりたいと思っています。作品作りに関わってくれた人たちがやって良かったと思ってもらえることが大事だと思いますので、見てくれた人のリアクションがちゃんとあって、しっかり視聴者に届く作品を手がけていければと思っています。
アニメーション業界(制作)を目指す人へのアドバイスはありますか?
アニメと同じくらい好きなものを持つようにしてもらえたら良いなと思います。映画でも音楽でもスポーツでも何でも良いのですが、将来的にそれが自分の引き出しや人間関係にもつながっていくと思いますし、行き詰ったときの逃げ道になったりもします。あと、そういうものを持っている人は話をしていて楽しいです。