SPECIAL
【新卒採用2025】若手スタッフ座談会Vol.1 <制作編> 後編
A-1 Picturesで働く若手スタッフの座談会、第1弾として「制作」部門編をお届け!
アニメ業界を目指す学生の方や、スタジオの仕事に興味のあるファンの皆さんの参考となれば幸いです。
※前編からの続きです。
←前編を読む
<座談会出席者>
制作・大久保 愛理(2023年入社・1年目)
制作・黒河 友貴(2022年入社・2年目)
制作・森 拓郎(2021年入社・3年目)
制作・渡邉 唯人(2023年入社・1年目)
―――では、皆さんが日々の仕事でやりがいを感じる瞬間を教えてください。
黒河:担当として最初から最後までひとつの話数に関わって、たくさんの人の力を借りて作っていくわけなんですけど、制作は直接話したり電話したり、上がり(出来上がった素材)をもらって…とやっていく中で、その人たちが作品に対してこれだけ頑張ってくれてるんだ、みたいなのが伝わってくるとちょっと感極まっちゃいます。僕は制作進行としてはまだ2本しか回してないんですけど、今のところ2分の2で泣いてる…。
大久保:なんで泣くんですか?
森:終わって放送を見た時とかに、ってこと?
黒河:いや、終わるちょっと前ぐらい…。クリエイターさんと喋ってる時とかに、きちゃうんです。アニメでしか体感できないんじゃないかなこれは、って思います。
大久保:私はまだ回してる途中で一本も納品まではやっていないんですけど、先輩の担当話数でPV用の数カットだけ代わりに納品までやらせてもらったことがあるんです。ほんの数カットなんですけど、最初は絵コンテのまだかわいらしい絵だったものが、いろんな人の手によってどんどん命が吹き込まれていって。そのPVが池袋の大きな街頭ビジョンで流れたんですけど、池袋に行った時にそれを見て、自分が納品したカットが映った時はすごく不思議な気持ちでした。見ている側から作る側に来たんだな、っていうのをそこで実感して、やりがいを感じました。
森:僕はやっぱり、回してる最中が一番やりがいを感じていて。終わったら「あれ?もう終わり?」みたいな感じになっちゃうんですよ。祭りみたいな感じじゃないですか。で、V編(ビデオ編集と呼ばれる最終工程)で急にプッと終わっちゃうので…。でも、友達から「テレビ見たよ」とか言って、スタッフクレジットのスクショ撮ったのが送られてきたりすると、やってて良かったなって思いますね。そうやってふとした拍子に、「見てくれてる」っていう何かがあると、ぐっとくるものがありますね。泣きはしないですけど(笑)。
大久保:黒河さんは熱いですからね(笑)。
渡邉:僕がやりがいを感じるのは、クリエイターさんから素晴らしい上がりをいただいた時です。やっぱり、いいものを上げて頂くと、「うわっ俺の話数、すごくいい話数になりそうだな、もっと頑張ろう」とワクワクしますし、そんな上がりを初めて目にするのが自分だっていうところも嬉しいです。
黒河:納期が近づくと、どうしてもしんどくなることはありますけど、それをやりがいが超えてきますね。
―――皆さんの今後の目標を聞かせてください。
渡邉:僕はプロデューサーを目指してるんですけど、自分のオリジナルとして世に出して、それで人を感動させる作品を作りたいなと思っています。
森:僕もプロデューサー志望です。さっき話した、「見てもらえて良かったな」と、ふとした瞬間に思い返すようなことが自分としては結構気持ちよかったので、作った時だけじゃなく、そこから先、何年も親しんでもらえるような作品を作りたいなと思っています。
大久保:私もプロデューサー志望なんですけど、今はA-1 Picturesのプロデューサーや制作進行は男の人が多いので、後に続く人のためにも、新卒で入った自分が女性プロデューサーとして作品を作りたいです。あと、制作の仕事とは別ですが…、今は雑誌とかイベントとかだと声優さんにスポットが当たることが多いですけど、もっと内側で頑張っているクリエイターさんの仕事に注目が集められたらと考えています。自分はアニメ業界に入って初めて、思っていた以上に多くの人が関わっているのを知って。この、大変ですけど絶対この先も続いていってほしい仕事を、目指したいと思ってもらうきっかけになるような機会を、自分が力をつけて作りたいなと思います。
黒河:僕もプロデューサー志望ではあるんですけど、制作として話数を回してる中で、演出の仕事もこれおもしろいぞ、っていう思いがちょっとあって。制作には、素材を見たりとか演出がちょっと絡んできたりする部分もあって、すごいぞ!と思ったりします。今後どうなるかは分からないですが演出の仕事も、もっとちゃんと理解していきたいですし、プロデューサーになったら、今度は僕がその感動を届けられるように、やっていけたらいいんじゃないかなと思います。
―――最後に、これからアニメ業界を目指す人になにかアドバイスをお願いします。
渡邉:アドバイスというか、これは過去の自分に言ってやりたいことなんですけど、アニメはもちろん、アニメに限らずドラマとか映画とか、小説や漫画でもゲームでも、いろんな作品に触れた方がいいなと思います。アニメ業界ってクリエイティブな仕事なので、色々なアイデアに繋がって、仕事にも活きてきます。何よりも一番は、クリエイターさんとの話題のタネになる。僕はいつも上司のプロデューサーに、お前はもっとクリエイターと無駄話ができるようになれ、と言われてまして。アニメは好きであったんですけどそんなに幅広くは見ていなかったので、クリエイターさんとの雑談が長続きしないことがよくあります。やっぱりアニメの仕事を続けていく上で、クリエイターさんと仲良くなるのは次の仕事とかにも繋がってくる大事なことなので、やっぱり多くの作品に触れるということはすごい大事なことだと思います。
黒河:僕が思うのは、大学、高校とか専門学校にしても、学生のうちにできること、バイトであったり旅行に行ったり、友達と遊んだり部活やサークルに入ったりっていうのを、全力で楽しんでやっていくことが大事だなと。そうすることで、制作で使う力っていうのは間違いなく養われると思います。サークルとかバイトで人と喋る環境があるとか、旅行のスケジュールを考えて行動するとか、そうやって楽しむ中で身に付けていくのが一番いいんじゃないかなと思いますね。
森:僕はめちゃくちゃ寿司が好きで、スシローによく行くんです。今ってシャリが自動で握られてたりするじゃないですか。どうなってるんだろう、中を見てみたいなと思っていて、すごくスシローでバイトしたいんですよ(笑)。今自分が大学生だったら絶対してるんですけど、できないじゃないですか。そういう学生の時にしかできないことをやっておくと思い残しがなくなるので、1個でも2個でもやりたいことを見つけて全力集中しちゃうのもいいんじゃないかなと。全力になれるというのは、さっき言った責任感にもつながってくると思うので。
大久保:A-1 PicturesのWebサイトに載っているプロデューサーのインタビューの中に、「アニメが好きっていうより、アニメを創っている人が好きっていう気持ちが、この仕事には大事です」というメッセージがあって。業界に入るまでは、ふわっとしかその言葉について考えてなかったんですけど、入ってからすごく大事なことだなと思いました。今までアニメは結構いっぱい見てきましたけど、誰が作っていたとか、どの監督が参加していたとか、そういう点にはあんまり注目して見れていなかったんです。この仕事に就いてから意識するようになって、もっと早くその点に注目して見ておけば、さっき渡邉くんが言っていたみたいにクリエイターさんと雑談する時にも「この作品に参加されてましたよね」と話が広がると思いますし、自分がプロデューサーになった時にも、この人はこういう絵を描いてたからこの作品を頼みたいな、と広がっていくと思うので、そういう見方が大事だなと。
―――他に何か、これだけは言っておきたいということがあれば。
森:僕は今度の土曜日、ベイブレード大会に出るんですよ。
一同:(笑)。
森:制作3部に部員が8人いて、「A-1 Picturesベイブレード部」っていうのを勝手に作ってるんですけど、小学生とかキッズたちに交じって大人が「3・2・1・GOシュート!」ですよ(笑)。
黒河:結構、運動する人も多くて、たまにどこどこでやりませんかみたいな計画して、バレーとかフットサルとか野球とか、やったりしてます。スノボもこの前行きましたし、そういう仕事以外の楽しい部分もあります。
森:最近何かそういうのすごく増えてきた気がする。運動部もベイブレードも去年からで、制作だけじゃなく作画さんも含めたコミュニティーみたいな感じです。土曜日に会社の人とベイブレード大会に行くってどうなのって感じですけど。
黒河:でも、これもA-1 Picturesの強みじゃないですか。休日でも会って楽しめる仲間と仕事ができるっていう。
大久保:急にいいこと言いますね(笑)。
森:特に制作3部とか2部はずっと遊んでるし。
黒河:ずっとは遊んでないですよ!(笑)
―――ありがとうございました。